劇団TLT第4回公演『悪魔』終演 ―車窓からの景色に同じものは二度と無く

 こんにちは。狛千心(こまちさね)です。諸々の雑事も目処が立ち、ようやく腰を落ち着けて書いています。

 劇団ユニット TOKYO LOCAL TRAIN第4回公演『悪魔』、全ての公演が終了してから1週間余りが過ぎました。改めてご来場くださった皆様ありがとうございました。タイトルとは打って変わってとんだ喜劇でした。お楽しみいただけたでしょうか。

 狛は、主人公・紬(つむぎ)の父親であるひろしに一目惚れをし、思いを成就すべく熱く突っ走る女・道子役でした。文字通り劇場を駆け回りました。今回も大変やり甲斐のある役をいただき、とても勉強になることが多く、この役を与えてくださった脚本の甲斐大櫻先生に心から感謝いたします。

 今回はコメディでしたので公演中にお客様の笑いもたくさん起きましたが、興味深いのは公演回によってそのポイントが違っていたことです。こちらとしては毎回同じ台詞を言って、同じ挙動をしているのに、「あぁ、今日のお客様はココで面白さを感じるんだな」ということを、体は感情で熱くなりながら頭は冷静に、舞台上で面白く眺めている瞬間がありました。

 その時に客席にいたお客様と、役者の、微妙な心身の波長の違いによって同じ作品でも変化する、まさに、車窓から見る流れる雲のように、風にたなびく枝葉の揺れのように、同じものは二度と見ることはない「演劇」という旅の醍醐味を味わえた貴重な体験となりました。

 劇場という空間、観客と役者の相互作用、感情の波、音や光の反響等々、目に見えない力学、簡単に解けない方程式、今は言葉で表せない何かがそこにあって、私はまだ辿り着けていないし、もしかしたら解は見つけられないかも知れません。

 そして、舞台は一人では何もできない、たくさんの人に支えられて成立していることを痛感した公演でした。自分の至らなさを感じることもあり、前向きにとらえればこの歳でも伸び代があることを知ることができました。表現の世界での歩みを続けられるように、今回学んだことを心に置きながら、精進して参ります。

 今回もご指導くださった甲斐さん、共演者の皆、音響スタッフの中島さん、照明のチンさん、舞監のちかみさん、お手伝いしてくださった宮口さん、アトリエファンファーレ高円寺のスタッフの皆様、受付をしてくれたTLTのOB,OGの皆様、観てくださったお客様、心配しながらも陰で支えてくれた家族、挙げ切れませんが、本公演に関わっていくださった全ての方に感謝申し上げます。


投稿日

カテゴリー: